一人暮らしのシニアにとって、結婚とは安心の何者でもない例があります。心が満たされたり、癒されたりするだけなら、内縁関係でも問題ありません。

しかし、法律婚をしたことが発揮されるのは、配偶者が病気になったとき。まずは、個人情報保護の関係から、家族以外には、入院している患者の名前や病室、病状などを伝えられない病院がほとんどです。

CTスキャンを受ける男性

また、医師から治療方針の説明を受けたり、手術にたち合ったりするのは、どうしても家族になります。配偶者に子供がいる場合、治療方針の主導権を握るのは子供になります。

ある女性の体験談です。縁あって男性と交際が始まり、いっしょに住み始めました。子供は、再婚に賛成ではありませんでしたが、夫は気にしませんでした。妻は、子供が反対なら無理に籍を入れなくても良いと思っていました。しかし、夫は献身的に尽くしてくれる妻に何かを残したいと思い、無理にでも籍を入れました。

その直後、夫が倒れたのです。夫の意思を聞いていた妻は、その意思を医師に伝えたり治療方針を一緒に考えたりすることができました。二人で力を合わせて病気と戦えたのは、法律婚による妻であったから、と女性は言います。

女優の奈美悦子さんご夫婦も、同じ経験をしたそうです。奈美さんは信頼できる男性と交際していましたが、結婚する必要を感じていませんでした。ところが奈美さん53歳のとき、激痛で七転八倒する掌蹠膿疱症性骨関節炎(ほうせきのうほうしょうせいこつかんせつえん)と言う非常に珍しい病気になりました。

この病気は治療法もなく、ナイフでえぐり取られるような痛みにただただ耐えるだけ。このとき、今の夫が奈美さんを献身的に支えました。やはり病気になったときは、内縁の夫では不都合なこともあったそうです。

この病気がきっかけで、56歳の時に再再婚した奈美悦子さんですが、結婚の時に「世間では「熟年離婚」がブームになっているけど、老後は一人じゃ寂しいし、結婚がいいものだと思ってもらえれば」と語っていました。

年齢を重ねれば、病気になる可能性は高まります。そんな時、そばにいて支えてくれる人がいたらどんなに心強いでしょう。病気になったとき、もし子供がいても、子供には子供の生活がありますので、ついつい遠慮をしてしまうのが現実ではないでしょうか。

老後の結婚を意識するときは、こんな時かもしれませんね。

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